「メルカリせどりの確定申告はいつ必要なの?」
「経費として計上できる支出ってどんなもの?」
「確定申告の手続きがわからなくて不安…。」
メルカリせどりで収入を得ている人は、条件次第では確定申告が必要です。正しく申告しないと延滞税や重加算税などのペナルティを受ける恐れがあります。
「自分には関係ない」と思っていても、実は確定申告の対象者だったというケースもあるかもしれません。そのため、メルカリせどりに取り組むのであれば、確定申告について把握しておきましょう。
そこで本記事では、3,000名を超える物販スクールを運営する物販ONE®代表のかずが、メルカリせどりの確定申告について解説します。
- メルカリせどりで確定申告が必要なケース
- 経費として計上できるもの
- 確定申告の具体的な手続き方法
確定申告に不安を感じている人は、ぜひ参考にしてください。


メルカリせどりの確定申告が必要なケース

確定申告が必要になるケースは、せどりが副業か本業かによって異なります。また、不要品を販売する場合も特別なルールがあります。
ここでは、メルカリせどりで確定申告が必要になるケースを3つ見ていきましょう。
- 【副業の場合】年間の所得が20万円を超えた
- 【本業の場合】年間の所得が48万円を超えた
- 【不要品を販売した場合】30万円を超える高額商品を販売した
それぞれのケースを見ていく前に、収入と所得の違いをかんたんに解説します。
収入は売り上げたお金の総額であるのに対し、所得は収入から必要経費を差し引いた金額です。たとえば、売上が100万円で経費が70万円だった場合、所得は30万円(=100万-30万)になります。

収入と所得の違いを意識して、以下の条件を見ていきましょう。
1.【副業の場合】年間の所得が20万円超
副業としてメルカリでせどりを行っている場合、年間の所得が20万円を超えると確定申告が必要です。
たとえば、メルカリでの売上が30万円あっても、仕入れ費用や手数料などの経費が15万円かかれば所得は15万円となり、確定申告は不要です。
しかし、所得が20万円を1円でも超えた場合は確定申告をしなくてはいけません。
【参考】
No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人|国税庁
2.【本業の場合】年間の所得が48万円超
メルカリせどりを本業として行っている場合、年間の所得が48万円を超えると確定申告が必要です。48万円がボーダーラインとなっている理由は、課税所得から差し引かれる基礎控除の金額が48万円であるためです。
所得が48万円を超えると、基礎控除を差し引いた後の金額に対して所得税が課されます。
【参考】
No.1199 基礎控除|国税庁
3.【不要品を販売した場合】30万円を超える高額商品を販売
個人が不要品をメルカリで販売した場合、1個または1組の価額が30万円を超える生活用動産を売却した場合も課税の対象です。
生活用動産を売買した場合の利益は、基本的に非課税です。しかし、30万円を超える生活用動産に対しては譲渡所得として扱われ、課税対象となります。
ただし、売却価格ではなく売却価格から取得費と譲渡費用を差し引いた譲渡所得が課税対象です。

若干制度が複雑なので、30万円を超える商品を販売した場合は、確定申告が必要になるケースがあることを押さえておきましょう。
【参考】
No.3105 譲渡所得の対象となる資産と課税方法|国税庁
メルカリせどりの確定申告をする際に経費にできるもの

メルカリせどりの確定申告では、ビジネスを行うために生じた支出を経費として計上できます。具体的な項目は、以下のとおりです。
項目 | 説明 |
---|---|
商品の仕入れ代金 | その年に売却した商品の購入費用が全額経費になる。 ポイント利用時は実際の支払額が経費となる。 |
販売手数料・振込手数料 | メルカリの販売手数料や振込手数料は全額経費計上できる。 |
梱包資材費 | 商品発送に使用したダンボールやガムテープ・緩衝材などの費用は全額経費になる。 |
送料 | 商品発送にかかった送料は全額経費として計上可能。 |
交通費・ガソリン代 | 仕入れのための移動費用や店舗訪問時の交通費・ガソリン代は経費になる。 |
通信費 | スマホ代やインターネット回線費用は、せどりに必要不可欠なため経費計上できる。プライベートでも利用している場合は、せどりで使用した分との割合で家事按分する必要がある。 |
書籍代・セミナー代 | せどりに関連する書籍購入費やセミナー参加費は経費として認められる。 |
光熱費 | 自宅をせどり作業場として使用している場合、使用割合に応じて按分することで経費計上できる。 |
外注費 | 梱包や発送、リサーチ作業の外注費用は全額経費計上可能。 |
ほかには、事業用スペースとして使用している場合、家賃や光熱費も使用割合に応じて按分して経費にできます。
会計ソフトの利用料や税理士費用なども経費として認められます。経費計上の際は、レシートや領収書を7年間にわたり保管が義務付けられています。
具体的にどの支出が経費になるかは、税理士にご確認ください。

なお、仕入れに使うクレジットカードを準備しておくと、確定申告の際に便利です。
おすすめのクレジットカードについては「eBay輸出せどりにおすすめのクレジットカード5選!利用すべき理由や選び方も紹介」の記事にて詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。

メルカリせどりの確定申告で用意すべき書類

確定申告の際には、いくつかの重要な書類を用意する必要があります。ここでは、メルカリせどりの確定申告に必要な書類を5つ紹介します。
- 確定申告書
- 青色申告決算書または収支内訳書
- 本人確認書類とマイナンバー関連書類
- 売上・経費の証明書類
- 給与所得の源泉徴収票(副業の場合)
各書類の詳細を確認する前に、青色申告と白色申告の違いを押さえましょう。
項目 | 青色申告 | 白色申告 |
---|---|---|
特別控除 | 最大65万円の控除 | 控除なし |
帳簿の記帳 | 複式簿記が必要 | 簡易的な記帳でOK |
手続き | 青色申告承認申請書の提出が必要 | 事前申請は必要ない |
青色申告は、本業の人や副業でもせどりで本業並みに稼いでいる人が提出する書類です。一方、副業のせどりによる所得が少ない場合は、白色申告で問題ありません。
1. 確定申告書
確定申告をするには、まず確定申告書を用意しましょう。確定申告書は最寄りの税務署で入手できるほか、国税庁のホームページからダウンロード可能です。
確定申告書には第一表と第二表があり、所得や税額計算に関する情報を記入します。
e-Taxのサイトで申告書を作成し、プリントアウトする方法もあります。
最近では、freee会計やマネーフォワードクラウドなどの会計ソフトで作成するのが一般的です。
会計ソフトを利用すれば、申告書類を用意する必要はなく帳簿を整理するだけで金額が自動計算され必要事項を埋められます。
2. 青色申告決算書または収支内訳書
メルカリせどりの確定申告では、申告方法によって青色申告決算書または収支内訳書のいずれかを用意する必要があります。
青色申告を選択した場合は青色申告決算書を提出し、白色申告の場合は収支内訳書を提出しましょう。
以上の書類は、税務署の窓口で入手できるほか、国税庁のWebサイトからダウンロードできます。また、国税庁の「確定申告書等作成コーナー」を利用すれば、オンラインでの作成も可能です。
freee会計やマネーフォワードクラウドなどの会計ソフトを使用すれば、入力したデータから自動で書類を作成できます。書類作成にかかる労力が少なくなるため、積極的に利用しましょう。
3. 本人確認書類とマイナンバー関連書類
確定申告書には、申告者本人のマイナンバーの記載と本人確認書類の提示または写しの添付が必要です。マイナンバーカードを持っている場合は、カードの表面と裏面の写しを添付すれば番号確認と身元確認の両方が完了します。
マイナンバーカードがない場合は、番号確認書類と身元確認書類の2種類が必要です。
番号確認書類には、通知カードやマイナンバーが記載された住民票の写しが該当します。身元確認書類としては、以下の書類が挙げられます。
- 運転免許証
- パスポート
- 在留カード
- 身体障害者手帳 など
なお、通知カードは2020年5月に廃止されましたが、記載内容が住民票と一致している場合は引き続き使用可能です。
4. 売上・経費の証明書類
メルカリせどりの確定申告では、売上と経費を証明する書類を準備しなくてはいけません。経費の証明書類としては、以下の書類が該当します。
- 商品仕入れの領収書
- レシート
- 梱包材費用の支払証明
- 送料の控え
- 交通費の領収書 など
このような証明書類は確定申告時に提出する必要はないものの、税務調査の際に提示を求められるため、7年間保存する必要があります。経費として計上する項目ごとに整理し、日付や金額・用途を記録しておくと、確定申告作業をスムーズに進められるでしょう。
5. 給与所得の源泉徴収票(副業の場合)
メルカリせどりを副業として行っている会社員は、本業の会社から発行される給与所得の源泉徴収票を確定申告時に用意する必要があります。
源泉徴収票には、原則として年末調整後に会社から従業員に交付され、1年間に支払われた給与・賞与の総額や天引きされた税額などが記載されています。確定申告書を作成する際は、源泉徴収票に記載されている収入金額や所得金額、勤め先の社名や住所などの情報を転記しましょう。
メルカリせどりにおける確定申告のやり方

確定申告の具体的な手続き方法について解説します。ここでは、確定申告を行う際の5つのステップを紹介します。
- 売上と経費の記録を整理する
- 取引を仕訳する
- 確定申告書を作成する
- 確定申告書を提出する
- 納税の手続きを済ませる
一つひとつの手順に従って進めれば、初めてであっても確定申告をスムーズに進められるでしょう。
1. 売上と経費の記録を整理する
メルカリせどりの売上を確定申告する場合は、売上と経費の記録を整理しなくてはいけません。売上の記録はメルカリアプリの「マイページ」から「残高を振り込む」をタップし「売上履歴」を選択すると確認できます。

経費を整理しておくことで、確定申告時の作業がぐっと楽になります!
経費は、保管してある領収書やレシートを元に整理します。
帳簿を月ごとに管理すれば記帳時のミスが減り、手間を抑えられるでしょう。会計ソフトを導入すれば、売上や経費の情報を入力するだけで自動的に計算してくれます。
2. 取引を仕訳する
確定申告では、取引を成果に仕訳することが重要です。たとえば、以下のケースを考えましょう。
- 5,000円で商品が売れたので、普通郵便で発送した。
- そのとき、販売手数料500円、送料210円が発生した。
- 商品が購入者の手元に届いて取引が完了したため、売上金4,290円がメルペイに反映された。
この場合の仕訳は、以下のとおりです。

メルカリせどりでは、実際にお金が動いたときに1回だけ仕訳をする「期中現金主義」を採用するのがおすすめです。仕訳するときは、借方と貸方の合計が一致することをチェックしましょう。
仕入れの仕訳も忘れずに行い、商品を購入した時点で「仕入高」を計上します。経費は勘定科目ごとに分類し、一度決めた勘定科目は一貫して使用すると整理しやすくなるでしょう。
3. 確定申告書を作成する
確定申告では、収支内訳書や青色申告決算書の内容を元に確定申告書を作成します。確定申告書の第一表と第二表の両方を記入する必要があります。
まず、第一表の左上にある収入金額等の欄から記入を始め、事業・営業等の欄と所得金額欄に収支内訳書または青色申告決算書から金額を転記しましょう。
確定申告書の必要事項を埋めていく作業については、国税庁のHPを参照してください。

会計ソフトを使うと入力の手間が大幅に減るので、初めての方には強くおすすめします!
会計ソフトを利用することで仕訳をした時点で申告書に即反映されるため、手動で計算する必要はなくなります。
なお、副業禁止の会社に勤めている場合は、確定申告書第二表の住民税欄で「自分で納付」を選択することで、副業の発覚を防げる可能性が高まります。
4. 確定申告書を提出する
確定申告書の提出方法は、主に以下の3つです。
提出方法 | 特徴・注意点 | 特別控除額 |
---|---|---|
税務署への持参 | ・確定申告書と必要書類を最寄りの税務署に提出 ・混雑を避けるため、早めの時間帯や期間の前半に行くことが望ましい ・その場で確認・修正が可能 | 最大55万円 |
郵送による提出 | ・確定申告書と必要書類を封筒に入れて税務署に送付 ・控えに収入印を押してもらうため、返信用封筒と切手を同封する必要あり ・税務署に行く手間が省ける | 最大55万円 |
e-Taxによる電子申告 | ・マイナンバーカードとICカードリーダー(スマホでも可)が必要 ・自宅から申告可能 ・24時間いつでも申告でき、還付も早い傾向がある | 最大65万円 |
確定申告の提出期間は、毎年2月16日から3月15日付近(2025年は3月17日)までです。なお、e-Taxにより青色申告をする場合は、特別控除額が55万円から10万円増えて65万円となります。

控除額が10万円増えるだけでも大きな節税効果になりますので、電子申告を検討してみましょう!
できるだけ「e-Taxによる電子申告」を選択するのがおすすめです。
5. 納税の手続きを済ませる
確定申告書の提出後、納税額がある場合は納付手続きを行う必要があります。納税方法は複数あり、メルペイを使った納付も2022年12月から可能になりました。
メルペイで納税する場合は、メルカリアプリを起動して残高が十分にあることを確認し、スマートフォン決済専用サイトにアクセスします。
納付する税目や金額・納税者情報を入力し、支払方法でメルペイを選択しましょう。
ただし、メルペイでの納付は30万円以下の税金に限られ、アカウント残高を利用した支払い方法のみ利用可能です。
他の納税方法としては、銀行振込やクレジットカード払いやコンビニ納付なども選択できます。

納付期限は決して忘れないようにしましょう!延滞税が発生すると余計な出費になります…
期限を過ぎると延滞税が発生するため、余裕をもって納税手続きを完了させることが重要です。
メルカリせどりで売上がある人は正しく確定申告を済ませよう

メルカリせどりで得た収入は、一定の条件を満たすと確定申告が必要です。副業の場合は年間所得が20万円超、本業の場合は48万円超になると確定申告をしなくてはいけません。
確定申告の手続きは複雑に感じるかもしれませんが、会計ソフトを利用すれば簡単に行えます。また、確定申告をしっかり行うことで、節税効果も期待できます。
期限内に手続きを済ませて、万全な体制でメルカリせどりに取り組みましょう。

適切に確定申告を行うことは、せどり事業を長く続けていくための基本です。面倒でも必ず正しく申告しましょう!
なお、生徒数3,000名を誇る物販ONE®代表のかずは、せどりに取り組んでいる人に向けてお役立ち情報をまとめたPDFをプレゼントしています。成果を上げるために、ぜひお受け取りください!


物販ONE講師の木村ゆうこです!
今回の記事が勉強になったら、ぜひSNSでシェアして下さい✨